2012年9月27日木曜日

またも勝ち組の予感

26日は龍谷大学付属平安中学・高等学校の第2回塾対象説明会に出かける。塾対象説明会も終盤戦。9月初旬、中旬の短期決戦となってしまって下旬から10月は極端に少なくなってしまう。早いほうがいいのか、隙間を狙うのか?塾生募集のチラシを打つ時期に通じるものがある。

結論、印象に残る説明会はいつやっても印象に残る。ダメな説明会はいつやっても同じ。これは自戒の言葉。

週に一度「仏参」の行われる講堂
さて、今日の説明会。私としては印象に残った。どこが?宗教校がきちんと宗教の話しをしたこと。当たり前かも知れないことが実は当たり前でないのが現状。「宗教の話ししたら生徒集まりませんやん!」と平気で話す募集の先生もいる。でも「宗教校が宗教を語らずして存在理由があるのか?」が私の持論。そして公立は「進学校」になり得ても「宗教校」にだけはなれない。私学の宗教校にはもともとアドバンテージがあるのだ。それを募集の障害と考える発想はいかがなものか。

春の説明会同様、法衣を着た今年新任の校長が「宗門校」としての存在理由、理念、目指すところを難解な宗教的用語を用いることなく分かりやすく説明される。「宗教の対極にある人間」と人から誤解される私が解釈できる事ではないかも知れないが、自分の命を大事にし、よって人の命も大事にするということが平安の教育の根本かと理解した。

世の中またイジメ問題が浮上してきている。事はそう単純でないかも知れないが、自分を大事にし相手も大事に思う心があればイジメはなくなると思うのだが。そしてそんな社会状況の中、宗教校に期待する保護者も出てきている。一層宗教校の出番だろう。

さて実際の教育内容だが、「教育改革」と銘打って、従来の指導方法の見直しがはかられている。端的に言えば「龍谷大学付属バブル人気」からの脱却であろう。高校特進コースである「プログレス」、そして中学からの入学生の大学進学実績がイマイチなのは塾業界では定説。この部分の強化なくしてはいつまでも進学校としては評価されない。龍大保険が賞味期限切れとなれば平安の存続がアブナイ。そんな事先刻ご承知で、改革改革と唱えていたがちっとも内実を伴わなかったのが「旧教育改革」。

フェンシングの北京オリンピック
銀メダリスト太田選手が母校に
寄贈したユニフォーム。クラブ
活動の盛んな学校でもある。
しかし今年はやり手新任校長補佐が具体的な手法、現実的な数値目標を掲げレベルアップを目指す。裏付けのない数値目標、高すぎる数値目標は聞こえもいいし、失敗したときに「やはり無理でした」「そりゃそうだろう」と言い訳にさえ使える便利な数字。しかし精査した現実的な数値目標は言い訳のきかない厳しい数値である。あえてそれを示したことに、新任校長補佐の現状打開へのリアルな意欲を感じる。

説明の中では、自校の話しだけではなく、データを示しながら「公立より私学の方が学力は伸びています」「私学ですから落ちこぼれは出しません」と私学全体の事も話される。そう、これは大事なことです。たとえ平安に縁がなくっても、私学全体に対する信頼は伝えられますからね。他の私学の先生も、説明会には付け加えられたらどうですか。私学に追い風の吹く今こそ、私学が一丸とならないと。

話し平安に戻って、先日行われたオープンスクールでは1000名を超える参加者があった模様。そして塾対象説明会も170名を超す参加者で昨年よりは多い。すでに「教育改革」の効果が出てきているのかな。






2012年9月13日木曜日

奈良三題

9月7日は帝塚山、9月11日は奈良学園登美ヶ丘、9月12日は西大和の塾対象説明会。奈良の進学校3校が出そろった。えっ、大御所の東大寺学園は?塾対象説明会なんて必要なしの天上天下唯我独尊。だから私は密かにこの三校に下克上を願っているのだが、いくら進学実績を伸ばしてもそんなの関系なしの越えられない一線があるようだ。

特に西大和は東大寺に対するコンプレックスがあるようで、今日は進学実績をほとんど強調することなく、新のエリート、社会貢献できる人間、国際社会で活躍できる人間の育成に努めるという点を強調していた。確かに受験請負業ではいつまでたっても二流の学校でしょうでしょうね。

とは言え、ここの塾説の塾への気の使い方は徹底している。塾の先生に対して敬語と謙譲語で話が進む。少し胸焼けしそうだがありがたくいただく。


西大和と大阪桐蔭の入試問題分析。
何事につけ徹底してますね。
 資料もすごい。今春の入試問題の各設問の正答率と誤答例がきちんと分析されて、きれいな冊子にまとめられている。これを見れば合格のために正答すべき問題、解けなくても合否に関係ない問題、いわば「捨て問」が一目瞭然。特に算数は正答率80%前後の問題と40%以下にはっきりと分かれており、80%の問題をすべて取れば合格点になることがよく理解できる。入試対策の最後の詰めには非常に有効だ。

塾を知り尽くしているというか、塾の先生の要望によく応えているのだろう。大阪桐蔭もこの様な資料を出してくれている。あと、なんと国立の奈良女子大附属中等教育学校。まっ、ここは塾のためというより教育的配慮なんでしょうが。

私学の先生方、これは有効ですよ。ただし保護者、受験生にまで渡すかどうかは難しい所。だって塾の先生の優位性を剥奪することになりますからね。

帝塚山中学は今年になってやっと「お嬢様学校」の呪縛から抜けられた感じ。以前から帝塚山に求められているものは進学校ですよと進言してきたが、「いまだ帝塚山ファンなる層がいらっしゃいまして…」と言って、総合コースやら文理コースやら特進Ⅰ・Ⅱやらとこちらにすれば何のためのコース分けかかと理解しづらかった。そしてそれがあるために2種類の入試問題や、そしてまたその問題のために回し合格のヴァリエーションが複雑になったりと本当に分かりにくかった。

ようやく来春入試より全コース共通問題になり、回し合格のパターンも分かりやすくなった。全コース国公立向けカリキュラムとなりすっきりとした感じ。女子英数スーパー選抜クラス(英数・スーパー・選抜!あともうひとつつければ満貫だな!失礼)も中1からできて完全に進学校としての体制が整った。多分進学実績は伸びてくるだろう。次の段階としてイマイチ分かりにくい併学を止めて共学にすれば。

奈良学園登美ヶ丘。進学校にするのか全人教育を目指す幼稚園からの総合学園にするのか方向性が分かりにくかったが、今年の説明会で明確に進学校を目指していることが理解できた。在校生の各模擬試験の偏差値推移やそこから予想される大学合格状況、また学力アップのための取り組みなど、昨年まであまり詳しくは説明されていなかった事に結構時間を使っていた。郡山の奈良学園から移ってきた高入生が今年初めて大学受験を迎えその実績を踏まえての発言でもあるのだろうが、素晴らしいキャンパスの完成と相まって受験生を集めそうな予感がする。

その奈良学園のお土産。校章の焼き印の入ったどら焼き。いや、奈良だから三笠か。それとちゃんと校名の印刷の入ったワッフル。私のコレクションが一つ増えました。

2012年9月12日水曜日

やり手校長補佐と若手校長


9月9日、日曜日は関西私塾の会の定例会に四条烏丸(烏丸四条?)へと出かけた。貸し会議室の隣がキラッ都プラザ。ちょうど「京都私立中学・高校展」が開催されていたので覗いてみる。

公立高校、昨年は中学卒業者増にもかかわらず定員を増やさなかったし、また今年も800名の定員減。公立不戦敗状態が今年も続く。教育委員会から各私学に受験生の引き受けお願いしますよとの通達もあったらしい。


背景が楽しいです

さぞかし会場はあふれかえっていることだろうと思ったが、私が行った時間はそうでもなかった。やはり全入場者数は昨年より少なかった模様。大幅減というわけではないが、主催者側にとっては目論見が少し外れたかも知れない。でも学校単位で見ると昨年比1.5倍の所もあったらしい。全体として私学指向の風が吹いているかどうかの判断は難しい。

会場を後にして定例会。10月28日(日)実施の「第3回京都山城進学個別相談会」、11月4日(日)実施の「第18回私学個別相談会」に付いての打ち合わせ。塾団体が主催する京都で唯一の説明会だ。成功しなければ塾業界のメンツに関わると思えば、心理的に結構厳しい。塾業界の皆様、ご協力よろしくお願い致します。

講師の平井正朗先生
定例会の後は「勉強会」。会の行事として春には「マナー教室」、夏は「大学訪問:龍谷大学」を実施。秋の勉強会は昨年に引き続き私学の先生を講師に招いてセミナー。今年は龍谷大学付属平安中学・高等学校 校長補佐 平井正朗先生にお願いする。

勉強会の様子 満員でした
先生は英語教育のエキスパートでもあるので、「高校入試と大学入試問題の相関(英語)」と題しての講演をしていただいた。精緻なデータと的確な分析、そして将来展望。学ぶべき所が多かった。また業界ネタもちらほらと。これも面白い。あっという間の1時間30分だった。

業界紙の取材が2件あり、また塾業界の有力者も参加されて賑やかな勉強会となった。

9月10日、月曜日は京都成章の塾対象説明会。若手校長自らが最初から最後までパワーポイントを使って説明する。「いつまで校長が募集やってんねんな?」の声もあるらしいが、トップが責任を持って説明する手法は他の学校もやってみてはと思う。校長のすべき仕事はそんなことではないという反論がすぐ聞こえそうだが、じゃあ校長のすべき仕事はと聞いてみたい気もする。集まらないことを嘆くだけなのか?

50分間の説明。他校に比べれば異例に短いが、聞きたいことが十分に伝わる。それはやはりトップの校長自らが自分で作成した資料を使って、相手の立場に立って、自分の言葉で話すからだろう。

大学「合格」実績ではなく、クラス別大学「進学」実績を載せるのはこの学校ではずいぶん前から当然のこと。また生徒がどのような判断でその大学を選んだのかまで話しをされる。つまり校長が生徒一人一人を知ってると言うことだ。これは保護者にとっては学校に対する大きな信頼につながると思う。だって校長がそこまでやりゃ、他の先生だって同じはずだもの。

今回感心したのは「今抱える課題と対策」という報告があったこと。内容は、授業のシステムが確立し、受験生も一定レベルの子達が入ってくると、そこからは変化のない循環が始まってしまうということ。つまり進学実績の大きな伸びは望めない。進学実績が伸びないことは中堅進学校としては致命的なこと。これは自らが言う必要のない不都合な事実のはず。あえてその部分に触れ、対策として土日完全週休2日は守るが、長期休暇を廃止し、結果総時間数122時間増になったとの報告。中学生が聞いたらえーっと言うだろうが、成章を選ぶ子なら特に問題はないか。

今春多くの入学者があったにもかかわらず、それに安穏とせず貪欲に改革を進める。こりゃまた集めるな!

2012年9月7日金曜日

元気な女子校

今日9月6日は奈良女子高校の塾対象説明会。ここ数年は文化遺産級の奈良ホテルを使っての説明会だったが、新校舎のお披露目もあって学校での開催。歴史を感じさせる古い建物も好きだが、やはり新築はいいものです。

新校舎内にある多目的ホールとでも言うのか「やわらぎホール」と名付けられた会場で説明が始まる。女性校長、という表現が性差別的表現なら校長である女性、と言い換えるが、その校長先生の挨拶から始まる。本当に生徒を大事にしてる気持ちが伝わってくる。以前「生徒達は学校の宝物です。」と言い切った言葉にブレはない。キャリアウーマンとしても生徒達の尊敬を集めているだろう。

また女子校は男女の役割分担がないので誰もがリーダになれる可能性がある。おとなしかった子が大きく変わった例もあると話されていた。男女共同参画社会、女性の社会進出は、実は共学ではなく女子校出身者によって実現されるのかも知れない。

今年から普通科ではあるが7つのコースを作って授業を展開している。センター受験コース、文化未来コース、エレメンタリーミュージックコース、スポーツサイエンスコース、パティシエールコース、イラスト・デザインコース、保育コース。名前を聞いただけでは意味不明。

専門学科ではなくあくまでも普通科なので、国数英理社の科目についてはコース混合のクラス別授業で、コースの授業についてはコース別に特定の曜日に授業を実施する方式。座学だけではなく、コース別の体験授業により、先生とのかかわり、友人とのかかわり、先輩後輩とのかかわり、地域とのかかわりを通して何のための勉強かを実感させ、またコミュニケーション能力を高めるのが目的と理解した。今日の説明でも「面倒見のいい学校」とはあえて言わず「かかわりの多い学校」と表現していたように思う。

例によって先生やら生徒達が前で実践報告してくれる。最初のエレメンタリーミュージックコースはコースの先生によるバイオリンとピアノのデュオでタンゴの演奏。先生という意味でのプロでなくプロの演奏家としてのレベル。素晴らしい演奏の後で「子ども達にはこう指導して、みんな頑張って今ここまで来ています」と言われりゃ納得せざるを得ない。

次のスポーツサイエンスコースはクラブ活動で頑張っている生徒もいるのだろう。バスケ、バレー、卓球、ソフトボールのユニフォームを着て前に整列してくれる。はい、とってもたくましいです。コース部長の先生も見るからにスポーツマン。この生徒達をもっと伸ばしてやりたいと、熱く訴える。ちょっと強面だが生徒達との信頼関係は十分感じられた。

保育コースでは生徒がずらっと並んで、この学校を選んだ理由や、授業の様子など一人一人話してくれる。その中で「中学校で勉強はあまりできなかったがこの学校でていねいに教えてもらい勉強ができるようになった。一番驚いているのは自分ではなくお母さんです。」、と言った生徒がいた。母親の気持ちよく分かります。母親が驚いてくれた本人も嬉しいでしょう。ちょっと私感動してしまいました。これぞ学校のあるべき姿だ。

パティシエールコースはバタークリームを使ってのデコレーションの実演。今年はフジテレビの「スイーツ甲子園」に出場するらしい。甘い物が似つかわしくない容貌のコース部長が生徒にインタビューする。面白い。

てな、状況で7つのコースすべての説明があった。うまいこと生徒を使いやがってと思うが、この学校でどんな風に生徒が生活しているのかがよく分かった。そして不器用な先生と愛校心一杯の生徒とのやりとりのなかで、小規模な学校の良さ、つまり生徒と先生との距離が近い、一人一人に目が届いている、そして生徒と先生方の仲のいいことがうかがい知れた。これが私学というものだろう。

最後にあった理事長の話は、変動する社会情勢の中で奈良女子に求められているもの、奈良女子から発信すべきものを精査し特徴ある教育を展開していきたいというものであった。決して上滑りの理念論でなくリアリティのある目標のように私には思えた。

同じ女子校でありながら昨日のどこぞやの学校とは大違いだな。しつこいかな?

2012年9月6日木曜日

昨日と今日では大違い!

9月5日は京都駅前のホテルグランヴィアで開催される平安女学院の塾説明会に出席。隣のメルパルクでは同じ宗教校で同じ女子校で入試難易度もまあ似たようなノートルダム女学院の塾対象説明会が同じ時刻から開催されている。スタッフがいる塾なら手分けして行けばいいだけの話しだが、塾長一人だけの塾ならハムレット的選択を迫られる。

結果、平女130人対ダム女80人だったようだ。しかし開始時間は同じでも終了時間が平女11時20分に対しダム女12時。時間差攻撃で平女の説明会のあとダム女に資料だけを取りに行った塾の先生が結構いたらしい。

やむを得ずとも言えるし、その程度とも言える。どちらにしてもそれで済むなら私が提唱する合同塾説はさらに現実的かと…

平安女学院、校長も変わり、募集のスタッフも変わった。校長は立命館大学の教授だったようだ。経歴になんやかやと書いてあるし、政府の仕事もしていたようだが自分が着任した中高の現状がちゃんと分かっているのか怪しい。地盤沈下しているのに雲の上の話しをしても意味がないのでは?この校長で平女が変わるとは思えない。それとも平女は立命館の天下り先か?

女性副校長の話も、こうしていきます、ああしていきますと美しい声と美しい日本語で訴えるが、ちっともそうなっていなかったのが現状ではないのかという危機感全くなし。後数年で引退すれば、平女はあなたのいい思い出になるだけだろう。残ったものはたまらんだろうが。

来春入試からコースの再編をしてグローバル化に対応する教育を目指すらしいが、所詮英語の時間を増やした程度にしか思えない。グローバル化は価値基準の転換をともなうものであって、単にツールとしての英語の授業を触るというだけの表層的な物ではなかろう。

かつての「英語の平女」を再び、と言っていたが、そんなん聞いたことない。それはともかく、そうだとして、今度はそこを強調すればするほど立命館コースの存在意義は?と言うことになってくる。案の定今日は立命館コースの説明はほとんどなし。そりゃそうだ、立命館コースずっと定員割れだもの。エスカレーターで立命館に行きたい子、つまり立命館、立命館宇治、立命館守山の立命館本家筋の併願校とすれば志願者のパイは決まっている。つまり構造的定員割れだ。増える要素はないだろう。

渡りに船と思った立命館コース、起死回生の一発にもならなけりゃ、独自路線推進の足かせになっている。進学先の立命館大学の学部を見れば文系不良在庫処分のお得意様程度か。自己矛盾を抱えたままで後何年持つやら。

それに宗教校なのに宗教の話しは全くなし。宗教を忘れた宗教校に存在意義はあるのか?

パワーポイントの資料も、もとの資料をスキャンして貼り付けただけで、スクリーンでも見えないわ、手元のペーパーでも読めないわのページがある。あんたら本気で塾説やってんのかいな!心の底から訴えたかったら自分で打ち直しするやろ。

大学進学先の詳細もなけりゃ、生徒達の伸びを示す資料もない。女子校なら大学進学の現浪別の資料ぐらい載せろ。女の子の保護者はそこを気にしているぞ。

これでよく130年も女子の宗教校やってこれたのが不思議だ。まさに神の奇跡としか言いようがない。その意味では確かに宗教校だ!

2012年9月5日水曜日

塾説資料三つ星

何もこの日記、塾対象説明会の「食べログ」じゃないんだが、行った以上は何か書きたくなりますよね。

今日9月4日は京都橘の塾対象説明会。校長の日常会話的言葉使い、つまり塾にあまりにもへりくだる表現なしに、しかし塾への気遣いを感じさせる挨拶から始まる。少しの反省を交えながら、目標に向かい着実な進歩を遂げている現状報告、そしとさらなる努力目標を掲げる。ウーン、絶妙な話術。危機感と現状報告と将来展望。この学校の説明会の伝統的手法。勉強になるなぁー。

後に続く入試広報部長のプレゼンテーションもほぼ完璧。いわゆる「かまない」事に関しては食べログの評価どころか、ミシュランの三つ星も確実。そしてパワーポイントの資料も相当練られたものだろう。こちらが突っ込むことがないぐらい塾の視点に立って作られている。

塾説の資料の良し悪しと学校の良し悪しは関係のないこと、といえばそうかも知れない。しかし私も資料を作ることがあるが、分かりやすい資料を作ろうと思えば、本当に相手の立場になってものを考えることができなければかなわない。そして自分に都合のいいように資料を作ろうとしても、どこかで破綻する。いい資料は真実に近くなる。つまり都合の悪い事実も含まれる。

分かりやすい資料とはすなわち誠実であることかも知れない。この誠実さは、生徒・保護者への対応に通じる。だから塾対象の分かり易い資料は、実は学校の評価と関係があるものと思うのだ。そして京都橘の人気に私は合点がいく。

資料の分かり易さで言えば8月30日に実施された京都産業大学附属で使用されたものも素晴らしかった。例えば大学合格実績は延べ人数で発表される場合がほとんどだが、ここは大学進学(入学)実績も示される。他人が稼いだ合格者数など無意味。実際最終的に一人一人の生徒達がどの大学に入学したのかがきちんと示されている。クラス別の進学状況も意地悪く見れば「その程度?」と思われるかもしれないが、あえて掲載している。塾との信頼関係の中で、すべて見てくださいという姿勢なんだろう。したがって私たちも安心して保護者に説明できる。つまり誠実な資料だ。

後、例えば特待生も実際何人いるのかも分かりにくい学校もあるが、こちらが聞きたいと思うような事はすべて資料として準備されていた。あたかも資料作成アドバイザーとして塾関係者がついているのではないかというようなものだった。やはり相手の立場に立ってものが考えられるスタッフがいるのでしょう。そしてこの学校のプレゼンテーターの副校長も「かまない」三つ星。

資料完璧の京都橘も京都産業大学附属もどちらも人気校。加えて京都産業大学付属は新校舎、京都橘高校は附属中学生が上がってくるので定員減。どちらも来年は確実に難易度が上がります。受験生の皆さんはさらに一層の努力が必要ですよ。

春恒例、2024年山城通学圏普通科中期選抜回し合格相関図

  春恒例、2024年山城通学圏普通科中期選抜回し合格相関図です。 昨年度とほぼ同様に上位校(大住学園が考える難易度順)からきれいに他校へと回っています(横方向)。そして第2順位への出願の仕方も一つ飛ばしで選択するのが確立したようです。城南菱創⇒西城陽、西城陽⇒久御山など。 が、...