2015年5月27日水曜日

業界紙投稿文書

 毎年、中学、高校の受験が終わると「塾ジャーナル」という業界紙から投稿の依頼が来る。「塾ジャーナル」という名前だが、塾だけでなく私学の先生方にも結構読まれているらしい。

 内容は地元の中高入試結果について。つまり私の担当分は京都の入試の分析。4月に書いたので各私学の公式の入試データは発表されていない中での分析。分析というよりも推測かも知れない。でも長いことやってると当たらずとも遠からず、ってことが結構あるんですよねー。

こんなんです。(表現上の変更が少しあります)

平成27年入試を終えて

中学入試

京都の私立中学の志願者倍率は3.2倍を上回り、8年ぶりに3倍を超えた。また受験者数も700人超の増加となった。景気回復を見越しての志願者増か、午後入試等による受験機会の増加による志願者増かは不明。どちらにしても大阪府が志願者数を減らしたのと比べると、京都の私学の強さがうかがえる。

一方、洛北、西京、園部の公立六年一貫校はいずれも倍率が昨年を下回った。昨年の大学進学実績が振るわなかったのも原因の一つと考えられる。また、公立一貫校の「適性をみる検査」の対策に時間をとられると、併願私学の準備が手薄になってしまう。虻蜂取らずの結果になるのを怖れ、倍率の高い公立一貫校の受験をあきらめる家庭が増えたものと思われる。
 

高校入試

私立高校入試の平均倍率は昨年より0.1ポイント減りはしたものの、3.5倍と人気が続いている。また専願者を増やした学校もあるようだ。入試制度改革2年目迎えた公立高校は、前期選抜、中期選抜とも志願倍率が前年を下回った。特に山城通学圏においては普通科10校中5校が出願時点で定員に満たないという驚くべき状況が生じた。

新しい入試制度が理解されるにはもうしばらく時間がかかると思われるが、少なくとも私学が心配していたような公立が圧倒的に有利になるという状況は生じなかったと考えられる。
 
 京都のトップ公立高校である堀川、人気校の西京が倍率を下げているのも気になるところ。公立人気の風向きが少し変化しつつあるように感じる。』

さて、業界の皆さんはどう判断されますか?


2015年5月22日金曜日

講演「京都に学ぶ」

  昨日21日は大阪の塾団体の依頼を受けて講演。タイトルは「京都に学ぶ」。大阪は特に公立トップ校の合格実績はM教室、R塾の両塾が独占し、中小地域塾の影が薄い。その大阪の塾から見れば京都は地域の塾ががんばっているように見えるらしい。その辺の話をしてもらいたいとのこと。

 私が思うに大手M教室、R塾の熾烈な合格者シェアトップ争いこそが異常で、何も京都の中小塾ががんばっていて、大阪の中小塾が力が無いとは思えない。

 大阪トップの北野高校の合格者数はM教室、R塾だけで募集定員の100%超える!?一方堀川探求科はK進、S基を合わせわせて50%強程度。教室数が多いので合計数が多いのはあたりまえ。見方を変えれば1教室あたりの合格者数は個人塾と差があるわけではない。いや個人塾の方が、1教室あたりの合格者数は多いかも知れない。

 この原因は公立王国大阪トップ北野高校の伝統と、所詮16年程度の歴史の堀川探究科の違いであるとか、京都、大阪では教育委員会の塾への対応が違っているとかで(京都の方が府教委、各高校とも塾に対し急速に対応がていねいになってきている)、その他諸々個人塾が十分対応できる余地が京都にはあったのだと分析する。

 また京都には数百年の伝統を持つ老舗があるが、老舗とは人脈に支えられてこそ。そして人脈は人そのものを見ること。京都には人付き合いを重んじる伝統があるのだろう。目先の損得、コストパフォーマンスよりもう少し長いスパンで塾を選んでいることも大阪との違い(失礼)であるかも知れないと、偉そうに話す。

 後半は私が会長を務める関西私塾の会の会員塾で、京都で伸びている塾の実例を報告。京都ならではの事例を報告できればよかったのだろうが、そんなのはある訳もなし。3塾報告させていただいたが全く方向性が違う三者三様。結局塾生、保護者の期待に応えるために真摯に経営努力されているところに塾生が集まっているという当たり前のこと。これは京都も大阪も無い普遍の事実。

 過去数回学校の先生や塾の先の前で講演させていただいたこともあるが、毎回どれほどお役に立てたのかなと不安である。でも最後は拍手もいただいて、安堵した。

春恒例、2024年山城通学圏普通科中期選抜回し合格相関図

  春恒例、2024年山城通学圏普通科中期選抜回し合格相関図です。 昨年度とほぼ同様に上位校(大住学園が考える難易度順)からきれいに他校へと回っています(横方向)。そして第2順位への出願の仕方も一つ飛ばしで選択するのが確立したようです。城南菱創⇒西城陽、西城陽⇒久御山など。 が、...